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フラワーエッセイ

「プリザーブドフラワー……枯れない魔法の花」

 その日、私が手にしたのは、鮮やかな緑が繁る、ハート型の鉢植え植物である。

 知人へのプレゼント選びで逡巡して入った、一軒の雑貨での出来事だった。
 その植物は遠目には造花のようだが、葉はやわらかな質感だった。
 鉢植えといっても、土はない。
鉢自体が作り物で、茎はテープを巻いたワイヤーでできた作り物だ。
しかし、葉だけが本物なのである。
水につけているわけでもないのにみずみずしく、本物よりも鮮やかなまでの緑色。

どうやら、この鉢植えは“リーフツリー(トピアリー)”という商品であるらしい。
いわゆる、プリザーブドフラワーの一種だ。

 ◎

 プリザーブドフラワーは“永遠に枯れない花”という異名を持つ。
 ドライフラワーの一種にカテゴライズされるが、花びらや葉はみずみずしく、造花と違ってリアルである。
そして、生花と違って水を必要としない。
この「水を必要としない」という要素は大きく、通常のドライフラワー以上に、様々な加工が可能である。
また、“永遠に枯れない花”という肩書きから、「ブリザードフラワー」とよく間違えて覚えられることが多い。ちなみに、筆者も間違えて覚えていた。

 ◎

その歴史はまだ短く、世界で初めてプリザーブドフラワーを作ったのはフランスのVermont社。
植物の樹液を有機保存液(通称、プリザ液)やオーガニック染料と置き換え、組織を完全に保ちながら保存できる「長寿命な切り花の製造技術」として、1991年にパリで発表された。
 私が買ったトピアリーとは、球形や円錐形にしたフローラルフォーム(オアシス)に短く切った花材を挿して、刈り込んで作った木のように見せる商品のことをいう。
 プリザ加工された葉が使われているため、いわゆる“リーフもの”というジャンルに分類される。

 ◎

プリザーブ(preserve)とは、英語で「保存・保護する・防腐処理をする・持続する」という意味である。
 現在、約六十種類の植物がプリザ加工に適しているといわれている。
前述の“リーフもの”は葉っぱなので、プリザードフラワーの中ではあくまで脇役だ。
プリザーブドフラワーの主役として、最も使用される花材はなんといっても、バラやカーネイションであろう。
フレッシュな色艶、豊富なカラーバリエーション。
保存にさえ気をつければ、 長い期間、美しい姿を楽しめる。そのため、インテリアや贈り物としても注目されている。
その他にも、ライム、レモン、オレンジ、栗といったフルーツもプリザ加工することができ、人気である。

 ◎

 プリザーブドフラワーは花屋でアレンジメントされた完成品を購入できるが、近年では生花から作り方を教えてくれる教室も多い。
 簡単な工程は以下の通り。

【プリザーブドフラワーの作り方】 ~バラの場合~

① 花を茎から切り、プリザ液A(アルコールが主成分の脱水・脱色液)に六時間、浸す。
② 色が抜けたら、プリザ液B(着色液)に十二時間以上、浸す。
③ 再び、プリザ液Aに入れて、色落ちしない程度に手早く洗浄する。

これにて完成だが、最近ではこれらの過程を簡略し、漬けておくだけでOKの「らくらくプリザ液」も出ているようである。
また、食品用の真空容器を使うと、漬けておく時間を短縮でき、均一に染色もできる。

 ◎

プリザーブドフラワーは花のみを切断しているため、茎がない。そのため、ワイヤーやテーピングを駆使して、造花風の疑似茎を作る必要がある。
 また、花びらを取り外して角度をつけながら貼り戻せば、好みの大きさに開花できる。
傷んだ花びらを除き、新しい花びらを接着すれば、修繕することも可能だ。

通常のフラワーアレンジメントとは異なり、工作性が強く、クリエイティブな趣味として末永く楽しめるだろう。

 ◎

 クリエイティブといえば、ブーケも自分で作れることだろう。
ウェディングでは青い花を身につけると幸せになれるという「サムシングブルー」伝説がある。長年、実現不可能だった青いバラも、プリザなら着色で簡単に作れてしまう。
近年では、この青いバラのブーケを自作するために、プリザーブドフラワー教室に通う花嫁達も少なくはないと聞く。

 ◎

 そんなプリザにも欠点が幾つか存在する。
 値段が高いこと。
壊れ易いこと。
しかし、なんといっても「永遠に枯れない魔法の花」を謳(うた)うわりには、寿命があり、有限であることだろう。
ヨーロッパでは十年ももつそうだが、湿度の多い日本では二、三年もすれば傷み始めてしまう。

 ◎

 さて、前述のリーフツリー(トピアリー)も、保存期限があるため悩みもしたが、結局、購入することにした。
 花束ならば、枯れる宿命がある。
 ところがプリザーブドフラワーは花と雑貨の中間にあるような存在だ。
プレゼントであげるならば、記念として残るものが良いと考えるのが普通である。

 しかし、こうとも考えられる。
また寿命がきた頃に、また買い直せばいい。

 二年先か三年先かはわからないけれど、そのときもまだ、贈った相手との絆が続いていると信じたい。
もし、仮に傷ついた関係になっていたとしても、修繕する機会を得られる。
花びらが傷めば、交換すればいいのだから。
プリザーブドフラワーはプレゼントを贈る機会を増やせる、稀有な記念品なのである。

                             (了) 都築隆広

【参考文献・資料】
「永遠に咲く魔法の花 プリザーブドフラワー」フォーシーズンズプレス
「手作りプリザーブドフラワー 生花から自分で作る!」
 著 長井睦美 監修 日本バイオフラワー協会 ブティック社
「生花から手作りできるプリザーブドフラワー」 長井睦美 ブティック社
「プリザーブドフラワー・ホーム」 石川妙子 誠文堂新光社

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